文法用語一覧と使用方針

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ギリシャ語学習に役立つ文法や言語学に関する用語と、英語の対訳とを一覧にまとめました。

文法用語の中には、教材によって使われ方が異なるものや、意味が広く解釈されているものがあります。また、ある事柄を指す用語や対訳が複数存在することも珍しくありません。

そこで、いくつかの用語には脚注をつけて、当サイトでの使用方針や採用理由、その他の補足事項を記載しています。

目次

品詞に関連する用語

日本語英語
品詞part of speech
名詞noun
代名詞pronoun
形容詞adjective
冠詞article
数詞numeral
副詞adverb
動詞verb
前置詞preposition
接続詞conjunction
間投詞
感動詞
感嘆詞
interjection
小辞
助詞
particle
限定詞determiner

名詞

日本語英語
男性名詞masculine noun
女性名詞feminine noun
中性名詞neuter noun
通性名詞common gender noun
可算名詞countable noun
不可算名詞uncountable noun
集合名詞collective noun
抽象名詞abstract noun
物質名詞material noun
固有名詞proper noun

代名詞・限定詞

日本語英語
人称代名詞personal pronoun
強形strong form
弱形weak form
接語clitic
所有1possessive
再帰1reflexive
配分1distributive
数量詞quantifier
数量1quantitative
指示1demonstrative
関係1relative
不定1indefinite
疑問1interrogative
強調所有1emphatic possessive
強意1intensive
対比1
代替
contrastive
alternative
  • 1. …代名詞・限定詞|…pronoun, determinerを省略。

形容詞・副詞の比較

日本語日本語
原級positive degree
比較級comparative degree
最上級superlative degree
相対最上級relative superlative degree
絶対最上級abusolute superlative degree

冠詞

日本語英語
定冠詞definite article
不定冠詞indefinite article

数詞

日本語英語
基数詞cardinal numeral,
cardinal number word
序数詞ordinal numeral,
ordinal number word

動詞

日本語英語
自動詞intransitive verb
他動詞transitive verb
単一他動詞monotransitive verb
二重他動詞ditransitive verb
接語重複clitic doubling
連結動詞
コピュラ動詞
linking verb
copular verb
動名詞2gerund
分詞participle
  • 2.-οντας, -ώνταςの語形のこと。
    一部の教材ではこれを「active participle, 現在分詞」と呼んでいますが、ここでは「gerund, 動名詞」という用語を採用しています。
    その理由は、現在分詞と呼ばれるべき語形が他に存在するためです(-ων, -ουσα, -ον…)。この語形を持つ動詞は多くはありませんし、あまり使用されることもありません。当サイトでも語形変化表には載せていません。ただし、存在するものは存在するので、用語の重複を避けるためにこちらを採用しました。
    また、「動名詞」という名称を使用することで、形容詞的な語である「現在分詞」や「受動完了分詞」と、副詞的な語である「-οντας, -ώντας」をより明確に区別できると考えました。

語・単語に関連する用語

日本語英語
形態論morphology
形態素morpheme
語・単語word
語根root
語基base
語幹stem
語尾termination
接辞affix
接頭辞prefix
接尾辞suffix
接頭辞法prefixation
接尾辞法suffixation
語形変化
屈折
inflect
曲用declension
活用conjugation
語形変化表paradigm
合成語compound word
派生語derived word
ゼロ派生
品詞転換
zero derivation
conversion
複合語complex word
頭字語acronym

語形変化に関連する用語

日本語英語
屈折素性inflectional feature
number
人称person
gender
case
aspect
時制tense
voice
mood
法性
様相性
modality

日本語英語
単数singular
複数plural

人称

日本語英語
一人称first person
二人称second person
三人称third person

日本語英語
男性masculine
女性feminine
中性neuter

日本語英語
主格nominative case
属格genitive case
対格accusative case
呼格vocative case

日本語英語
非完結相imperfective aspect
完結相
アオリスト3
perfective aspect
aorist
完了相perfect aspect
  • 3. 当サイトでは、伝統的な文法用語「アオリスト」を使用せずに、「完結」という訳語を採用しています。
    本来「相の名称」を指す「アオリスト」ですが、教材によっては「相と時制の組み合わせの結果」を指す呼称として使用されることもあり、混乱を避けるためです。
    また「非完結」と対照的な「完結」のほうがよりわかりやすいかと思い、こちらを採用することにしました。
    • 相の名称として:完結相
    • 相を示す語幹:完結語幹
    • 能動完結語幹、受動完結語幹
    • 動詞の語形:完結…形
    • 完結過去形、完結未来形

時制

日本語英語
過去past
非過去4non-past
現在present
未来future
  • 4. 本来、ギリシャ語の動詞が区別する時制は「過去」と「非過去」の二種です。
    ですが、より馴染みのある表現を採用し、ここでは非過去を「現在」と表記します。また、過去と現在、未来表現を三種の時制として扱います。

「相×時制」を示す語形の名称

ここで主に使用している用語です。

日本語英語
非完結過去形imperfective past
完結過去形perfective past
現在形present
従属形5dependent
非完結未来形imperfective future
完結未来形perfective future
  • 5. 「完結相×現在時制」の語形のこと。
    伝統的には「完結相接続法」や「アオリスト接続法」と呼ばれます(下表)。
    要するに「接続法の文で用いられる語形」という意味での名称です。ただ「法」という文法範疇は(動詞の語形そのものではなく)小辞とともに示されるものと捉えるほうが、よりシンプルでわかりやすいと考えます。
    なのでここでは、新しい教材によく見られる表記「dependent, 従属」にならうこととしました。

「相×時制」を示す語形の名称(別)

ここでは原則として使用しない、上表に対応する別の用語です。

日本語英語
未完了(過去)imperfect
単純過去
アオリスト直説法
simple past
aorist indicative
非完結相非過去
現在直説法
imperfective non-past
present indicative
完結相非過去
アオリスト接続法
perfective non-past
aorist subjunctive
継続未来continuous future
単純未来simple future

日本語英語
能動態nominative case
受動態passive voice
中受動態medio-passive voice
中動態middle voice

日本語英語
直説法indicative mood
接続法subjunctive mood
命令法imperative mood
法性・様相性modality

その他

日本語英語
助動詞auxiliary verb
不定詞infinitive
オーグメント6
加音
増加音
接辞母音
augment
辞書形7
見出語
dictionary form
lemma
canonical form
  • 6. 動詞の過去形の一部で付与される接辞。この用語はあまり馴染みのないものですが、訳語もさまざまでどちらにせよわかりづらいため、ここでは「オーグメント」を採用しています。
  • 7.名詞の「一人称単数主格形」、形容詞の「一人称単数主格男性形」、および動詞の「(能動態)一人称単数現在形」のこと。

文の構成に関連する用語

日本語英語
統語論syntax
phrase
clause
sentence
主要部head
従属部dependent
独立節independent clause
主節main clause
従属節subordinate clause
条件節protasis,
condition clause
帰結節apodosis,
consecutive clause
関係詞節relative clause
肯定文positive sentences
疑問文interrogative sentences
否定文negative sentence
感嘆文exclamatory sentence
間接疑問文indirect question
主語subject
述語predicate
目的語object
直接目的語direct object
間接目的語indirect object
補語complement

文字に関連する用語

日本語英語
文字letter,
character
アルファベットalphabet
句読点punctuation
約物punctuation mark
発音区別符号diacritical mark
アクセントaccent, acute accent (´)
分音記号・
ダイエリシス・
トレマ
diaeresis (¨)
アポストロフィapostrophe (')
終止符full stop (.)
コンマcomma (,)
疑問符
(ギリシャ語の)
question mark,
interrogation mark,
semicolon (;)
疑問符question mark,
interrogation mark (?)
感嘆符exclamation mark (!)
コロンcolon (:)
丸括弧parentheses (( ))
中黒interpunct,
middle dot,
raised point (·)
引用符guillemets,
quotation mark ()
ハイフンhyphen (-)
三点リーダーellipsis (...)

音声・音韻に関する用語

日本語英語
音声学phonetics
音韻論phonology
音素phoneme
同化assimilation
異化dissimilation
異音allophone
強勢アクセントstress accent
高低アクセントpitch accent
母音vowel
子音consonant
単母音monophthong
二重母音・複母音diphthong
二重字・連字digraph
子音連結consonant cluster
音節syllable
最後の音節8ultima
最後の音節にストレスがある語oxytone
最後から二番目penult
最後から二番目の音節にストレスがある語paroxytone
最後から三番目の音節antepenult
最後から三番目の音節にストレスがある語proparoxytone
  • 8.音節の位置や、ストレスの位置による語の種類を表す用語について。
    ギリシャ語学習においてこれらの理解は必須ですが、どうしても説明が冗長になるため、いくつかの教材では「ultima~proparoxytone(ウルティマ~プロパロキシトーン)」といったカナ表記が使用されています。
    例えば「最後の音節にストレスがある語は…最後から二番目の音節にストレスが移動する」のような説明を少しでも短くするために「オキシトーンは…ペナルトに移動する」と言い換えることがあります。
    しかし、ここではわかりやすさを優先し、日本語で直訳して表現しています。

子音の発音

日本語英語
調音部位place of articulation
両唇音bilabial
唇歯音labiodental
歯音dental
歯茎音alveolar
硬口蓋音palatal
軟口蓋音velar
調音方法manner of articulation
破裂音plosive
鼻音nasal
ふるえ音trill
摩擦音fricative
側面音lateral
接近音approximant
破擦音affricate
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