約物

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ピリオドやカンマ、疑問符など、ギリシャ語の約物の種類や用法についてまとめました。

目次

概説

ピリオドやカンマ、コロン、感嘆符など、約物の多くは他のヨーロッパ諸言語の慣習に従うものです。

ギリシャ語に特有な点としては、セミコロン (;)のかわりに中黒 (·)を、疑問符 (?)としてセミコロン (;)を用いることなどが挙げられます。

以下、ギリシャ語における約物の種類と使い方を列記します(文末のピリオド (.)や感嘆文の (!)など、馴染み深いものは省いています)。

ピリオド

  • 単一の文字で構成される、または小文字を含む略語1の表記
    • ο κ. Α. Παπαδόπουλος|κύριος(敬称)と名前のイニシャル
    • π.Χ.|προ Χριστού|προ Χριστού(紀元前の意味)
  • 数字の区切り(カンマに相当)
    • 1.234.567|1,234,567
  • 時刻表記(コロンに相当)
    • 10.45|10:45

1. 大文字で構成される略語にはピリオドを用いません(οι ΗΠΑ|the USA)。

中黒

他のヨーロッパ諸言語におけるセミコロンの役割です。複数の項目を分類したり、前の文を補足する別の文の直前に置いたり…など。

カンマ

基本的な用法としては英語などと同じです。単語を並べたり、等位接続詞の前に置いたり、従属節の後に置いて主節と分離させたりするのに用います。

その他、ギリシャ語に見られる用法は次のとおりです。

  • 代名詞・限定詞のό,τι。
    • 接続詞ότιとの区別のため。カンマの後ろにスペースは入れません。
  • 小数点、および単位の分離(ピリオドに相当)
    • 12,36|12.36
    • $4,50|$4.50(4ドル50セント)

疑問符

疑問符は (?)でなくセミコロン (;)を用います。

  • Τι ώρα είναι τώρα;
    ティ オラ イネ トラ?
    今何時ですか。
    What time is it now?

引用符

直接話法の表記にはダッシュ (–)とギュメ (« »)が用いられます。フランス語などと同じ体系です。

段落の先頭にある対話はダッシュではじめ、地の文との区切りはカンマで示されます。

  • Δυστυχώς, μου είπε, ήρθες αργά
    「残念なことに」と彼女は言った。「あなたは遅すぎた」

発言部分をギュメで囲う方法もあります。段落の先頭でも途中でも使えます。

  • «Θα προτιμούσα» είπε η Μαρία «να φύγω αμέσως»
    「選べるのなら」マリアは言った。「すぐに去りたい」

ギュメで囲った発言部分と地の文との区切りのカンマは、あってもなくても大丈夫です。

  • «Δεν ξέρω», απάντησα
    「知らない」と私は答えた。

ただし、発言部分が句読点や疑問符、感嘆符で終わるときには、ふつうカンマを用いません。

  • «Γιατί;» ρώτησε η Μαρία
    「なぜ?」マリアに尋ねた。

ギュメのかわりにダブルクォーテーション (“ ”, “ „)を用いることもできますが、ギリシャ語においては引用中の引用を示すために用いられることが多いです。日本語の二重かぎ括弧『』のイメージ。

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