古代ギリシャ語における名詞の格のひとつ「与格」は、現代ギリシャ語ではいくつかの定型の副詞的表現に残っています。
目次
与格の用法
代表的な慣用表現として、以下のような例が挙げられます。
- βάσει (+属格) - 「…に基づいて」
- δυνάμει - 「潜在的に」
- ελλείψει (+属格) - 「…が不在の場合」
- τοις εκατό - 「パーセント」
- καλή τη πίστει - 「誠意をもって」
- τοις μετρητοίς - 「現金で、額面通りに」
- παρουσία (+属格) - 「…の存在下で」
- ποιητική αδεία - 「詩的許可によって」
- λόγω (+属格) - 「…の理由で」
これらの与格構文の多くは、古代の前置詞とともに構成されています。例えば次のような、εν(…の中に)による表現が多く見られます。
- εν ανάγκη - 「必要であれば」
- εν μέρει - 「一部には」
- εν πάση περιπτώσει - 「どんな場合でも」
また、いくつかのフレーズは、現代ギリシャ語では一単語として書かれ、単一の意味で捉えられるようになっています。
- εντάξει - 「OK、問題ない」
- εντούτοις - 「それにもかかわらず」
関連ページ
名詞の曲用パターンごとにまとめた与格は以下のページにてまとめています。
ενを含め、フォーマルな・定型的な前置詞句について、以下のページにまとめています。